フィギュア&ミュージカルモード

フィギュアスケート(オタク)とミュージカル(ニワカオタク)とコスメの話が中心です。PC夏ど真ん中(ブライト&クールサマー)の脂性肌。

ミュージカル『BOYBAND』観劇レポ

ミュージカル『BOYBAND』観劇してきました。

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演出も設定も、作中曲ですら(!)上演する国で好きにしていいという異例のミュージカルとのこと。日本版はオリジナルとかなり作風が変わっているらしく、ドキドキしながら見てきました。

以下ネタバレ・毒吐きあります!!


終わってみての感想は、一言で表すと「もったいない」


平野さんが自身の番組内で「芝居パートとコンサートパートがそれぞれある感じ。厳密に言うとミュージカルじゃないね」と教えてくれていたので、心の準備はできていました。


でもなぁ…これだけ歌えるキャストを揃えたのに、歌った曲がJPOPしかないのは本当に残念。

聞き覚えのある曲しかないので、新しい曲を聴く喜びや驚きというものはありません。
極端に言ってしまえば、コンサートパート(歌部門)ではペンライト振ってみんなが踊る様を見るほかやることがないんです。
せっかく歌えるキャストを揃えているのに肝心の歌は既存のJPOPしか歌わないから、彼らの歌唱力が引き立たない。JPOPって誰でも歌える音階で作っている面もありますから、歌を聴いてもおーすげー!うまい!って思えない。
加えて、どうしても原曲と比べてしまいますから、彼らの方が上手いけれど、原曲の歌手の方が魅力的だなと思わせてしまう曲もでてきます。
あとミュージカルと違って歌にセリフが乗るわけではないですから、ストーリーが止まるんですね。
結果、コンサートシーンがまるでカラオケ大会のように思えました。


嫌な言い方だけれど、「若手俳優を掻き集めて舞台をやるのにちょうどいい作品があったからガワだけ借りてきた」
そんな雰囲気がありました。
・なぜ設定を全て日本にしてしまったのか
・なぜ脚本を「大人対子供」と単純化してしまったのか
・なぜ使用曲を全てJPOPにしてしまったのか

この理由が、制作側が「俳優目当ての観客はこれくらいじゃないとウケない」と思っているからなのではないかと思ってしまいます。
聞いたことのない曲だと盛り上がれないだろう、群像劇はストーリーがわかりにくいだろう…気遣いのつもりかなと思いましたが、私は観客が舐められていると感じました。
『恋するブロードウェイ』は海外ミュージカル曲しか使われていないし、お客さんは私よりもまだ若いような人だらけでしたがちゃんと盛り上がっていましたよ。
もう少し観客と役者の力を信じて、「知らない物語」をやっても良かったんじゃないかなぁ…。

「設定も曲も上演国の好きにしていい」という原作者の意図ってこうじゃない気がする…と残念な気分でした。
もしかすると、私がいわゆる舶来物が好きで、キャストよりもウエストエンドミュージカルの日本初演であることに重きを置いて観劇したから抱いた違和感だったのかもしれません。
(…でもそれって、キャスト目当てじゃないと楽しめない作品ってことだよね…)



「やりたいことは売れてからやれ。でも売れたら、中身なんて誰も見てくれないぞ」

作品の中のセリフですが、そのまま今の彼らを表しているように思えました。
ミュージカル俳優を目指して役者になった彼らが望んでいた作品はこれだったのだろうか?
エリザベートを見て役者を目指した味方良介や大山真志が、ウエストエンドミュージカルの日本初演をやると聞いて期待していた仕事はこれだったのだろうか?
もちろん彼らは、どの作品も全力で演じきろうという想いを胸に舞台に立っているとは思いますが。弱冠の肩透かし感はあったんじゃないかな、と思いました。
(これは完全に私の妄想です、すみません)

だって、『恋するブロードウェイ』で有名ミュージカル曲を歌っていた時の方がキラキラしていたから…。
「イケメン俳優」「2.5次元俳優」そんな枠を超えて頑張ろうとしている彼らにお仕着せの既成概念をくっつくけた感じが作品とかぶって、見ていて結構苦しかったですね。

ていうか、メタ的な見方ですが「本物志向のリュウが作りたかったものとは違ったチープな曲」っていって有名JPOPをバンバン流すって結構失礼よね笑
まんま日本のボーイバンドの曲もあったし笑



あ、役者の皆さんは素晴らしかったですよ!
平野良さんはナルシストで厨二病な役が凄くハマっていましたし笑、歌もうまかった。
大山真志さんは相変わらずダンスが上手!1人ズバ抜けていましたね。
味方良介さんはかなり痩せていてちょっと心配になりましたが、素の魅力が演技にも滲み出ていました。
碓井翔太さんと藤田玲さんを見るのは今回初めて。
碓井さんの繊細な演技がよかったです。
藤田さんは見た目に反して(?)歌声が結構なハイトーン。驚きましたが素敵な声でした。
あと東啓介さん!彼はクセのある役を何役も演じているんですけど、どれもやりきってて印象的でした。個人的な今回のMVPは彼ですね。
大人側の伊礼彼方さんも素敵だったわー。平野さんと2つしか違わないのに大人側に回されたのはかわいそうだけど(笑)



ぐちぐち色々書きましたけど、言いたいのはやっぱりもっとみんなの歌が聞きたかった!!!これに尽きますね。
こんなに歌える若手を集めたのに!
なんで伊礼彼方さんに歌わせないのよーー!!
新納さんを歌わせないのよーー!
ああ、もったいない…