ロンドン・パリ旅行記4日目その⑤レ・ミゼラブル観劇レポつづき
レ・ミゼラブル観劇レポの続きです。
備忘録がわりに覚えている限りを(めんどくさくなるまで)書くつもりなので、いつ終わるかわかりません…
※ネタバレと勝手な解釈を含みますのでご了承ください
Lovely Ladyのシーンから書いていきます。
I Dreamed a Dreamの時には怒るだけのプライドがあったフォンティーヌ。でもそのプライドが、ペンダントを売り、髪を売る毎に少しずつ崩れてゆき、他の娼婦の誘いに流されるように堕ちていく。
自虐的で、荒んだ様子。さっきまでの気の強いフォンティーヌとのギャップが大きいです。
Lovely Ladyを歌う他のレディ達は、おっぱい鷲塚んだり腰を振ったりかなり卑猥。帝劇でもこのままやってるのかな…(見たことない)
下品なエロオヤジがフォンティーヌを無理矢理買おうとするところでも、かなりがっつりフォンティーヌを触っていて、私は何をするエロオヤジ!!!!と怒り心頭笑
騒ぎを聞いて駆けつけたジャベールはちょっと老けていましたかね。
倒れるフォンティーヌのことを見る目の冷たさよ…
その冷たい理性的なジャベールが、ジャンバルジャンに自分の仕事を邪魔されたときに、表情をガラッと変えて一気に疑惑の顔になるんです。
市長ともあろう人が、法に背こうとするなんて、と信じられない思いなんでしょうね。
彼にとって絶対である法を、公人である市長が破るなんてことがあってはならないのでしょう。
フォンティーヌを釈放しろと命令するジャンバルジャンに対して、馬鹿にしたというか、若干の軽蔑の目を向けていました。
対してジャンバルジャン。
勝手な思い込みですが、多分この時のジャンバルジャンは自分で割と良い人間であれていると思っていたんじゃないですかね。
だからこそフォンティーヌを見て、自分の行いで不幸になった人がいたことに愕然としたのではないでしょうか。
荷馬車を持ち上げるシーン、初めてちゃんと見ることができたんですが(映画もスローモーションみたいな演出じゃありませんでした?)、一人でうーーんしょ!って持ち上げるんですね。確かにこれはすごい。
ちなみに、正面から見るとがっしりしているように見えましたが、横から見ると意外と細くて驚きました。
さて、私の号泣ポイントその1、病院のシーンです。
女工と喧嘩したり、自分と社会への怒りを激しく訴えたり、堕ちて自棄になりながらもわずかなプライドを残していた、いじらしいほど気の強いフォンティーヌはもうそこにはいません。
声はか細く、目にも力がない。
彼女の中に渦巻いていた怒りのパワーはもうどこにもありません。
彼女がただ思うのは、自分の娘であるコゼットだけ。
遠く離れて会えない子供を思うフォンティーヌ。
フォンティーヌがみる幻の中では、コゼットは元気に遊びまわり、そしてそのあとは母(フォンティーヌ)の腕の中で眠ります。
でも、それが実際起こったことはあったのでしょうか?
コゼットは遠いテナルディエの宿屋で働かされて、フォンティーヌはパリで働きづめの生活をしています。
ささやかで穏やかな、普通の光景ですが、きっとこれが実現したことはほぼないのではないでしょうか。
瀕死のフォンティーヌが見る幻がそんな小さな幸せの姿だと思うと、なんとも言えない気持ちになります。
またその声が優しくて、優しくて…涙腺崩壊。
またこの時のフォンティーヌを見つめる時のジャンバルジャンの、哀しみと慈愛と決意の混じったような瞳でじっと見つめるんです…
ああ言葉で言い表せない…
怒りや苦しみから解放されて永遠の眠りについたフォンティーヌの最期。
こんな不遇におかれてなお、ジャンバルジャンの言葉に救われて微笑みのうちに亡くなった姿が、とても悲しくて、愛おしくて、美しかったです。
※今回順番をずらしてフォンティーヌの最後を書きました。